ご挨拶


日本ハムソーセージ工業協同組合発行の「食肉加工百年史」によると、日本の食肉加工技術は系統は大きく分けて次の4つの流れがあるとされています。

①畜産試験場流 ②鎌倉ハム流 ③ローマイヤ流 ④大木流

このうち、わが国の食肉加工に対して最大の影響を与えたのが、④の大木市蔵氏(以下「市蔵氏」)と言われています。

市蔵氏は明治28年千葉県匝瑳郡東陽村(現在の横芝光町)に生まれ、明治43年から横浜山下町の「江戸清」で食肉加工の見習いとして就職、そこで顧客であったドイツ人マーテン・ヘルツ氏に出会い、ソーセージの製造技術を伝授されるのです。

大正6年「第1回神奈川県畜産共進会」に我が国初のソーセージを出品、大正8年、上野池ノ端で開催された「第1回畜産工芸博覧会」において2等賞(ソーセージとしては最上位)に輝くなど、多くの博覧会で入賞。

大正9年には合名会社大木ハム製造商会を開業し、ソーセージ、ハムの製造・販売を開始するかたわら、東京帝国大学駒場畜産研究会で講師を兼任し、昭和13年には群馬高崎ハムを設立。その後も、全国各地で食肉加工講習会、技術指導にあたるとともに多くの弟子受け入れ、後年には一般社団法人日本食肉加工協会の理事を長年にわたって勤め、日本農林規格(JAS)の制定に携わるなどわが国の食肉加工技術の発展に尽力したのです。

このような活躍は他の3つの流れにはなく、まさに食肉加工業界のレジェンドです。

当WEB記念館は20世紀初頭までハム・ソーセージ等食肉加工技術の乏しかった日本において、その技術を日本各地に広めハム・ソーセージを庶民の日常食になるまで普及させた日本のソーセージの父大木市蔵氏の功績を保存し、後世に伝える目的で開設されました。

このWEB記念館を通じ長きに渡り歴史に埋もれてしまっていた偉人、市蔵氏の偉業と、日本に食肉加工技術を根付かせ、肉食文化を広めるべく全国を飛び回り後進の育成に努めた、氏の実直な人物像に少しでも触れていただけたら幸いです。

なお当記念館開設にあたっては、増田和彦氏の著書「ソーセージ物語 ハム・ソーセージを広めた大木市蔵伝」を大いに参考にさせていただき、また大木市蔵氏のご令孫である大木公一氏はじめ多くの方々にご協力いただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

(平成27年4月1日 横芝光町商工会青年部)