「食肉加工百年史」

この本は、日本におけるハム・ソーセージの正しい歴史を記録に残すことを目的に、昭和45年に(社)日本食肉加工協会が編集し、日本ハム・ソーセージ工業協同組合より発行されました。

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内容は全6章にわたり、日本の古代より近世に至るまでの食生活における肉食の消長に始まり、幾多の変遷を経ながら著しい発展を見せた食肉加工業100年の歩みがまとめられています。

当時の日本食肉加工協会長川辺氏は、編纂の意義について、日本食肉加工情報1969年8月号において次のように述べています。

(1)次第に古い記録が散逸し、又古い事実を記憶している人達が物故して正しい事蹟が歪められる虞があるので、正しい記録を残しておきたいこと。

(2)創業当時から今日まで、先人達が技術を習得し或は消費を拡大する為に血のにじむ努力をしたことが、今日の繁栄の基礎となっていることを関係者に知って貰いたいこと。

(3)わが業界の今日までの荒廃の跡を回顧し、わが業界将来の繁栄としたいこと。

(4)官庁の印刷が余り出所を探索せずに軽々しく史実を記載すると、これが正しい歴史として後世に伝えられることになりかねないこと。

上記を達成すべく、川辺協会長は協会に入った昭和24年より、機会あるごとに資料の収集に出かけ、昭和45年に専門の編集者の手によって協会独自の立場から特に公正を期して編集されました。

当サイトの開設にあたりまず参考にしたのは、この「食肉加工百年史」です。ハム・ソーセージを始めとした食肉加工の歴史に興味がある方は、まずこの本をご一読いただければと思います。