山形県 草岡ハム様に視察に行ってきました。

平成27年7月13日(月)、山形県長井市草岡ハム様を視察させていただきました。

kusaoka

草岡ハムは、山形県南部長井市の置賜盆地に位置し,朝日山系麓の農村地帯にあります。

この地域では、農家さんは、稲作農業のかたわら養豚を兼業していました。昭和60年頃、豚の価格が下落したこともあり、豚肉を加工することで付加価値をつけて販売しようと加工組合を組織し、ハム・ソーセージの製造に乗り出しました。

kusaoka1(草岡ハム組合長孫田善朗氏、前組合長佐藤晴夫氏から話を伺う)
kusaoka2(真剣に話を聞く土屋部長、市原副部長)

もっとも、ハム、ソーセージ加工の知識と技術がなかったため、宮城県の田尻の手づくりハムに、後の工場長横山裕幸氏が見学に行きました。そこで、大木市蔵さんの娘婿大木尭公さんと出会い、福島県双葉郡双葉町にあったエムオー牧場で、昭和63年3月から2か月間、横山氏は尭公さんから指導を受けます。エムオー牧場のエムは持田(大木尭公氏の旧姓、オーは大木のイニシャルです。エムオー牧場は尭公さんのお兄さんが経営していた牧場でしたが、福島原発事故以降連絡がとれない状態となっています。

kusaoka3 (大木尭公さんからもらった製造器具を持つ横山裕幸工場長)

その後、横山さんは、昭和63年8月まで田尻の手づくりハムでも技術指導を受け、 そして、いよいよ昭和63年9月から草岡ハムは操業を開始します。
横山さんは、尭公さんからの教えを創業から約30年が経過した現在でも忠実に守っています。大木尭公さんは、「教えたとおりにやらない奴が多い」と嘆いていたそうです。
草岡ハムが創業した後も、尭公さんは2週間に1回は、草岡ハムにやってきて技術指導をしてくれたそうです。

草岡ハムでは、ハム・ソーセージの原料となる豚は、地元置賜の農家さんが生産した豚肉を使用しています。調味料は、塩、砂糖、香辛料を使い、添加物は極力抑えています。また、卵、乳、植物性淡白等も使用していません。挽き肉に玉ねぎを混ぜるのが大木市蔵式です。

kusaoka5(横山工場長から製造工程の説明を受ける部員達)

ksuaoka7
(燻煙は、レンガ造りの直火型の燻煙室で行われる。使用されるチップは周囲の山で採れる山桜)

草岡ハムの製品は、大木市蔵さんの製造方法を今も守り続けるハム・ソーセージです。

横芝光町商工会青年部は、今回の研修を活かして、大木市蔵式ハム・ソーセージの復刻に取り組んでまいります。

草岡ハムの皆様、ありがとうございました。(文・写真:観光記念部門 上原広嗣)

kusaoka8